朝、昨日とはうって変わってスカッ晴れ!荷物をまとめて朝食(もちろん洋食)を済ませ、チェックアウト後、部屋から見た旅館の庭を見せてもらう。灯篭に盆栽、池に錦鯉、と典型的な日本の庭だ。すでに日本庭園オタク化しているダンナ家族はかなり嬉しそうに写真を撮る。錦鯉に興味津々のダンナ・・・“マイホーム買ったら、池掘って鯉飼おう!”って、アンタいくらするか知ってんの?しかも池掘るって・・・。ダンナのたわ言は放っておき、昨日来た道を戻ってバスステーション内にあるコインロッカーに荷物を預け、逆側の三千院に向かう。
いくら京都とはいえ、ここまで来ると外人さんの観光客はほぼ皆無で、ちょっと鼻高々の私。とはいえ、日本人観光客も多いし、宿に行く道にはなかったお土産屋さんがいっぱいある。そこでマンマ、“そうそう、米の紙買わないといけないんだった!”・・・何すか、米の紙って?どうやら、紙コレクションをしているマンマ同僚からの依頼らしいが、米=日本という発想から依頼がきたみたいだけど、私はよく分からんぞ・・・。とりあえず、和紙はすき方や色にも種類がいっぱいあって、“これよね、きっと米!”・・・いや、それは確認しないと・・・って言ってる間に、即行お買い上げ。“きっと米よ、それに万が一違っても証明できないし”って、その確信はどこから来るのか?・・・いや、実はきっとめんどくさかったに違いない。ともあれ、マンマが良いなら、それで良い(マンマに勝てるものなし)!三千院に着くと、あった!いつも来る度にそそる、炭鉢で焼いているみたらし団子!ここはぐっとこらえてまずは中へ。ここは京都でもかなり北部なので、少し紅葉が。しかし、それがなくとも見事な日本庭園。縁側にしばし座って庭鑑賞。メインの建物を出て階段を上がると、鳥居があり、そこを抜けると神社風の赤い建物が(っつーか、多分神社)。そこに並ぶ杉も見事、と私が上を見上げていると、“あ!きのこ!!”・・・マンマは逆に下を見ていて、根元に生えてたきのこを発見!やはり山育ちの本能なのか?“よし、ノンナ(おばあちゃん)にも見せてやろう”とダンナ、パチリと写真まで撮っていた。
三千院を出ると12時前だったが、彼らはまだお腹がすいていないと言うので、私とダンナだけみたらし団子を食べて、その脇の宝泉院へ。ここはかつてJR東海の“京都へ行こう”キャンペーンCMでも使われた、私の超お気に入りの場所。入場料500円には、お抹茶とお茶菓子が付いてくるのも嬉しい。一般家屋のような小さい門をくぐると、小さいながら手入れされた坪庭にマンマ改めて感動。またまた一般家屋レベルの玄関に所狭しと靴を脱いで上がり、中に入ると、2方に解放された縁側の左側には樹齢500年の松、正面の竹・紅葉・山の風景は脇の柱・床・天井が額縁の役割を果たして1枚の絵のように美しい。赤いじゅうたんの敷かれた縁側前に腰を下ろすと、お抹茶とお茶菓子が運ばれてきた。初の本格的抹茶とあんこが果たして大丈夫か心配だったが、抹茶の苦さがあんこの甘さを消す役割をしてるのね、なんて言いながら問題なく完食。写真のポーズもキマッってるし、気分はもうすっかり日本人?
それから三千院前のソバ屋で昼食をとり、バス停に戻って荷物をとり、四条へ帰るバスに乗る。疲れもたまってきてるようで、初めて!マンマもこくり、こくりと寝にかかっている。これで私も心置きなく寝る・・・で、起きたらもう出町柳も過ぎて、思いっきり市内に入っていた・・・終点とはいえ、ちょっと焦った。元のホテルで預けた荷物を受け取って荷物整理をし、京都に残るか大阪に向かうが相談した結果、大阪に戻る事に。そのまま阪急電車で大阪の元のホテルに戻って少し休む。32階の部屋から見えるビルを見ながら・・・“クミホ、このビル群の絵葉書が買いたい”とマンマ。・・・大阪・梅田の写真の葉書なんて、約30年近所にいてても見た事ない(汗)。JR大阪駅下にいくつかお土産らしきものを売っている売店があったので、皆でそこに行ってみる。が、お菓子系ばかりで葉書はなし。おばちゃんに聞いてみると、紀伊国屋ならあるんちゃう?という言葉を頼りに紀伊国屋に行ってみる・・・と!あった!素晴しいキオスクのおばちゃん!マンマもルチアも、ダンナまで大満足して大阪ビル群の葉書をお買い上げ!ほ・・・何とか難題解決。それから時間もあるし、お腹もまだすいてないというので、近くのドデカイ、ヨドバシカメラで日本のテクノロジー(大げさか?)を見るとする。中に入ると・・・3人とも口あんぐり。1階では超最先端の携帯電話のコーナーで足が止まる。マンマ“え!0円ってどういう意味!?タダ!?”、ルチア“イタリアでも使えるよね?だったら、自分の分1個とお土産で2個く買う!”しかし、固定電話と同じで契約して基本料のかかる日本と違って、イタリアはプリペイド方式。だから携帯本体が安い、と説明して、かなり惜しみながらも何とか理解してくれた。ほ・・としたところ、ダンナ“でも、このVodafonってイタリアでも使えるんちゃう?”このVodafon、日本ではJフォンが、イタリアではオムニテルが社名変更になったように、全世界グループ化しているみたいだが、もうええやん・・・と私は言いたかった。しかも、アンタ携帯全然使えへんし、超ウトイくせに何ゆーてんのさ・・・が、どうしても確かめたいと言うので店員に聞くと、Vodafonの代理店で聞いてくれと言われる。そんなんどこか知らんし、もうええよね?と諭そうとすると、“さっき絵葉書買った近くで見た!”えぇぇ・・・また戻るの?面倒くさいっちゅうに!!珍しくひかないダンナ、仕方ない、戻ってやるか・・・しかも、ホントにダンナ言う通りのところにあったし。結局、社名は同じでも契約が日本になるので、使えるけど日本を経由して通話になるので超高くなるので、もちろんアウト。さっき言うたやん、私・・・しかし、確認ができてダンナも満足してるので、ええか。時間も7時を過ぎてきたので、元来た道を戻りながら夕食のリクエストを聞くと、軽くピザでも食べたいと言う。確かに5日間日本食ばかりで、私もネタがつきてきた。なら、ヘップファイブに行こう、とアーケードの人ごみをかき分けて行く・・・が!“クミホ〜、何でこの人私にはくれないのっ!!”とマンマが後ろから叫ぶ。おいおい・・・日本に来てから、交差点などで配ってるティッシュはタダと言う事を知り、ある毎に立ち止まってでももらっていたマンマ。が、配っていたお姉ちゃんは後ろで待っていたマンマに気付いてなかったらしい、が、このバリバリフィレンツェ弁のイタリアン・オカンに叫ばれたもんだから、“も、もーしわけございませんっ!!”と3つくらい渡していた。かわいそうなお姉ちゃん・・・マンマはホクホクと“3つももらっちゃった♪”と屈託ないのだが。
ヘップファイブに着くと、正面にそびえる赤い鯨にびっくり。で、案内役のお兄ちゃんに写真も撮ってもらう。ここには大型のGAPも入っていて、シーズン外にもセールをしているので見に行くと・・・ダンナと私、なんと200円のシャツを見つけて購入!そこから最上階のレストラン街で、カフェのillyも入っているレストランに入る・・・が!そこで目にしたものは!インテルとミランのユニフォームを着たウェイトレスのねーちゃん!“おいおい〜!!”と熱血ヴィオラ家族はちょっと不満。それを知らずに“いらっしゃいませぇ〜”とお姉ちゃんがオーダーを取りにやって来た。メニューは結構豊富で実際まぁまぁイケたので、さっきの不満も収まり、さてカフェを、とオーダーしようとするも、メニューにマッキアートがない。マッキアートとはエスプレッソに少しミルクを入れたもので、純エスプレッソが苦手な私はいつもコレ。しかしillyのマークも入ってるし、メニューもイタリア語が多いし、オーダーを厨房に通す時も、“○×スパゲッティ、ウ〜ノ♪”とか言ってるし、それくらい知ってるかな?まずは”エスプレッソ4つと・・”と言いかけると、お姉ちゃん“エスプレッソってすごく濃い〜イタリアのコーヒーでぇ、ちょっとしか量ないんですけど、いいですかぁ?”・・・多分、知らない人がオーダーして思ってたのと違うと言われる事が多くて説明してるんだろうけど、思わず、“あ、イタリア人なんで”と言ってしまった。悪気はなかったけど、嫌味やったかな?で、マッキアートを聞いてみると、“???スミマセン、奥に聞いてきます”・・・バッボ“illyのマークつけてるくせにマッキアートも知らないの?”・・・という予想が的中し、そのお姉ちゃんの答えとは!“そうしましたら、エスプレッソと牛乳を別オーダーして頂けますか?”・・・なにぃぃ?“2滴くらいちょちょって入れてくれるだけでいいんですけど”って言ってみたが、“スミマセン、メニューにないんで”おいおい、融通利かせろよ〜(怒)・・・仕方ないので、何も飲まない。その為にコップ1杯の牛乳なんてアホらしすぎる!
こうして大阪最後の夜も終わった。ホテルに送り届けて、私達も3日ぶりの実家。帰ると、お父さんは嬉しそうにダンナと晩酌がしたいらしく、珍しく起きていた。疲れながらも義父の誘いは断れないのか、焼酎の味を覚えたのか、ダンナも嬉しそうに飲んでいる。その間に私はさっさとシャワーを浴び、そしてダンナシャワーが終わるのを待って・・・当然のごとく爆眠!
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