Viaggio in Irlanda & UK
〜アイルランド&UK旅行記〜

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6月30日    ロンドン→スタンステッド空港〜ピサ
7時半起床。考えたくなかった恐ろしい日がやってきてしまった。TVをつけると・・・BBCニュースでは、頑丈に閉められた地下鉄への入り口、徒歩・自転車通勤する人、そして交通渋滞!の映像・・・これは、やはりタダ事ではない!!一気に不安に襲われた私達は即行朝食を済ませ、予定よりも更に早く8時に出発。たねにバス停まで送ってもらい、今度はまたイタリアにおいでな〜と別れる。
 
来たバスは、乗ってみたかった2階建てバスの一番古い形。たねに言われたように、運転手さんとは別にいる、お金徴収のオジサンに1£づつを渡す。ここはまだ郊外なので、そんなには混んでいない。しかし、乗り換えが必要な超町中の様子はどうなんやろうか・・・私が持っているガイドには、そんな超町中のバス路線図しかなく、ここからどれだけ時間がかかるかも不明。不安で何故か沈黙の2人。そして、町中に近づくにつれ、だんだん混んできた・・・怖いよおぉお!!!バス停に着く度に、名前をチェックして頑張って位置関係を確認していくと、遂にノッティングヒルまで到着。乗り換えポイントまではもう少しだが、ここまで来るとかなりノロノロ運転。ようやく、オックスフォード通りに入り、オックスフォード・サーカスで乗り換えの為、下車準備。後ろを見ると、リヴァプール・ストリート駅行きの8番が来てる!超ラッキー!!!急いで飛び乗り、今度は最近のモデルのバスだったので運転手さんに10£札を出して“2人”と告げると・・・“外で切符買って来い”・・・って、そんなん知らんぞー(怒)!!降りてバス停を振り返ると販売機発見、しかし、コインのみで札しか手持ちがなく使えない。その間、ブィ〜ンとバスは発車・・・待つ気ないんかい!非情な英国野郎(激怒)!!かなりカチンときた私、“バス来たら止めといて!”とダンナに言って、前の衣料品店に両替を頼みに入る・・・も!“商品通さないとレジは空かない”と言われる。分かるけど、君たちには助け合いの精神ないんか!それなら、路面の新聞売り場へダッシュ。今度は“何か買え”・・・コンチキショー、そんなら水買うたるわい!やっとの事で小銭をGETしバス停に戻ると、私の行動を見守っていたダンナは何か聞きたそうだったが、私は無言でコインを販売機に入れる、も・・・故障中!!他のイギリス人が使っても使えないのを見届けて、別のバス停へダッシュする私。ダンナは、一人ポッツーン・・・。向かいのもう1つの販売機も故障。更にその先の交差点にいくつかバス停があったので、そこで何とか買えた。ふぅう〜っと元のバス停まで帰ると、ダンナは姿が見えなくなった私をかなり心配していた。最初から経緯を全て話すも、バスは一向にこず。もう10時半を回り、電車の時間まで1時間をきっている。ここからリヴァプール駅までは遠くはなさそうだが、やっぱり不安。すると、遠くに見える8の文字・・・ああ、これで何とかなりそうや!後ろから大勢乗ってきたので、2階席へ。はぁあ〜、どっと疲れた。念のために、バス停に止まる度に、番号と共に書いてある行き先を確認。ウンウン、ちゃんとリヴァプール・ストリート駅に向かってるよ。が、バンク周辺で「・・・又は○○行き」って、2方向あんのかい!!ダンナに“乗る時、バスの前に何行きって書いてあったか見た?”と聞くも“番号しか見てない・・・”!こんな土壇場に間違えてたらどないすんねん!!急いで下に降りて地元学生風の女の子に聞くと、彼女もリヴァプールに行くと言うので安心。はぁ、一体いつまでハラハラするねんって。
 
11時10分、無事に発車15分前にリヴァプール駅到着。ここまで来てやっと笑顔が戻る。さて、あとは切符を自動販売機で買って、と残りの現金27.2£を全部入れる。お会計は13.8×2=27.8£也・・・って!60セント足りない!・・・バスの切符買う時の両替で水買わされてなかったら、買えてたやんか〜!!ヤバイ、そうなるとカード支払いになるので窓口購入しかない。そこで見た光景は・・・行列!おい〜!まだあるんかい!!ドキドキしながら並んで待つ。あともう少しで私の番という所で、窓口がシャーっと閉まって「close」・・・って、これはどっきりカメラか!頼むから、もうエエ加減にして欲しい。その代わりに奥の窓口が開き、ダッシュ1番、やっと買えました!時刻は11時23分・・・あぁ、とうとうやりました!ホンマに、ホンマに疲れ果てた・・・。
 
そこからは、ようやく全てがすんなりと行き、5時半頃ピサ空港に到着。出た瞬間・・・ムゥ〜っと暑い空気が押し寄せる。ああ、とうとうイタリアに帰って来たんや。ここでもフィレンツェ行きのバスがすぐに見つかり、8時前には帰宅。24時間のドキドキ・ハラハラの大移動終了、いや、16日間の濃厚な旅行がこれにて終了。しばらく旅行はいらんなぁ〜・・・って思ってるのは、きっと今だけ?
 

6月29日    ロンドン観光・その2
大英博物館のエジプトコーナー/衛兵交代のパグパイプ隊は美男子も多かった!
朝、気持ちの良い日の光で目が覚める。最近、朝は天気が良い。さてさて、今日の目的は、これぞロンドン!というバッキンガム宮殿の衛兵交代を見に行く。ロンドンに住んでいるたねださんも、まだ見た事がなく気合が入っている。ガイドによると11時半から、しかし観光客でごった返すので、いい場所をキープするには早めに、と書いてある。では、少し早めながらもすぐに宮殿に向かう事にする。
 
地下鉄に乗り、最寄り駅のウェスト・ミンスターで下車。バッキンガム宮殿までは、セント・ジェームス・パークの中を歩いてゆく。青空に緑の芝生が映え、色とりどりの花やアヒルの親子に目を奪われている間に、白いドデカイ建物が前方に見えてきた。これがエリザベス女王のいらっしゃるバッキンガム宮殿でございます!!時刻はまだ11時にもなっていなかったが、予想通り観光客がたくさんいて、宮殿の門の前にへばりつき、モサモサの黒くて長い帽子に赤い制服を着て微動だにせず立っている衛兵さんの写真を撮っている。しかし、見るからに暑そう。宮殿正面の目抜き通りにはユニオンジャックがはためき、その通りから更に観光客が押し寄せる。警備の人が誘導を始め、ああ、もうすぐかも、と思った瞬間!!観光客の歓声とオーケストラの演奏が聞こえる!!“あぁ〜、キットカットのCMみたい〜”(相変わらず安直な感想)と私が叫ぶと、“アンタ、ふっるいなぁ!って事は私は宮沢りえ?”アンタも分かってるやないの、たねやんったら。ほぼ正門の近くに残っていた私達の元に、衛兵の行進は近づいてくる!何か知らんけど興奮してきた!!一団が脇の門から入っていくと、歩道側に集まっていた観光客が柵の前に集団移動。子供達は親の肩車にのって、ビデオやカメラで撮影している。私の分も撮って欲しい〜!!そうしていると、またしても別の一団が逆側から行進してきて別の門から入り、その度にカメラ集団は群れごと移動。柵の中に入ってからは、集団から1人、1人が抜け出し、規則的な動きで交代劇を進めていく。それが終わったと思ったら、今度は20人くらいが中央にでてきて何やら準備・・・楽器と楽譜を持ってきて、数曲演奏とは、タダのくせにエエもん見せてくれるやないの、英国王室さん!演奏後に楽器と楽譜を片付けた後は、元来た道をまた帰っていった。所要時間約1時間、実に見ごたえあった!観光客の動きが少しおさまってから、私達も目抜き通りを駅に向けて歩き出した。しかし、彼らはどこに帰ってんやろうなぁ・・・と話していると、さっきの集団が演奏はないにしろ、宮殿に向かって行進してきた!おかげで間近で撮影できちゃった、ウフッ!見物に行かれる方は、少し残って帰りを待ち伏せするのがオイシイです!
 
続いては、チャールズ皇太子とダイアナ妃が結婚式を挙げたセント・ポール寺院へ行ってみる。おぉ、ここは列がないではないか!と思ったら、見所である天井の装飾が全面修復中にもかかわらず、しっかり入場料7£。そりゃあ、誰も入らんって。もちろん私達もしっかりパス。
 
そうこうしてる間にもう1時前。今晩の夕食は昨日の餃子に決まっているので、最後の外食をどうするか?最後のシメは、イギリス名物本格的フィッシュ&チップスに決定!たねのガイドによると、ちょうど今から行く大英博物館の近くに評判のレストランがあるというので、地下鉄に乗る。ガイドの住所のたどりながら行くと・・・ありました!しかも、大英博物館のほぼ真ん前!いつも半分こする私達の1つは、もちろんフィッシュ&チップスに決定。もう1つは、これも名物である牛肉煮込みのパイ。隣では、日本人の親子連れが同じようにフィッシュ&チップスを食べていた。うぅぅ〜ん、見るからに今までパブで食べたのとは厚みが違う。お腹がなりはじめた所で、我々の元にもやってきました!熱々の白身魚フライは肉厚で、レモンをかけてもタルタルソースをかけても美味しい。ダンナはパイもかなりイケる!と興奮している。いやぁ、旅の醍醐味とは、やっぱり土地の美味しいモンを食べる事やねぇ〜。
 
店を出たら、万を辞して、大英博物館へ!この世界一デカくて有名な博物館がタダっていうのが信じられない。しょっぱなのホールでそのデカさに度肝を抜かれ、そわそわしてしまう私達。いろんなテーマに分かれてて、どこから見ていいか分からない。きっと半日で全部回るのは不可能なので、有名なエジプト部門からスタート。これまた大きなホールには、馬鹿でかい石碑や像がゴロゴロしている。ここまでいっぱいあると、すんごい価値あるものなのに、だんだん大した事ないように見えてしまう・・・マジでそれくらい、いっぱいあるんやもん・・・。その中でも一際人だかりができていたショーケースの中は、ナポレオンが持ち帰ったというロゼッタ・ストーン。遠い昔に世界史で習ったそれは、最古の文字と言われる象形文字が彫られた石で、何千年も昔のものとは思えないほど完璧に残っていた。それから、メソポタミア文明、ギリシャ・ローマ帝国の部門を回ると、いろんなもん見すぎで頭がクラクラしてきた。ベンチで少し休んで、残りの体力・気力を想定して回るところをセレクト。せっかくだから、我らがアジア部門と珍しいアフリカ部門に絞る。とにかく広いので、→の方向に進んでも進んでもたどり着かなかったりする。挙句の果てに、アジア部門は最上階でヒイヒイ言いながら階段を上ってゆく。大部分は古代中国の調度品や像だったが、日本のコーナーには、葛飾北斎の富嶽三十六景の有名な1枚(波がザバーンてなってる後ろに富士山があるやつ)の本物があった。その後は、一気に地下のアフリカ部門へ。長旅の疲れ、ドデカイ館内を歩き疲れ、見物し疲れて、再度ベンチ休憩。最後の力を振り絞って回りきると、夕方5時半だった。たった、と言えばたった3時間。でも、時間をかけたからたくさん見れるもんでもなく、タダなので数日に分けてゆっくり回るほうが賢いな、と思った。
 
さて、夕飯は餃子と何にする?となった所で、たねださんから本場のパスタ作ってぇ!とのリクエスト。これだけお世話になったんやから、作らせてもらおうやないの、カルボナーラちゃんを!本日は6時半から地下鉄のストが始まるので、急いで地下鉄に乗って昨日のスーパーへ。買い終わって、家に帰るために地下鉄に向かうと、ほぼ最後の運行に間に合った。
 
家に帰ると、早速準備開始。今日はダンナが腕を振るう。その間、私とたねは明日のバスでの移動をどうするか検討。彼女の家の近所からは7番のバスがでており、町の中心部で8番に乗り換えると、空港行きの直通電車が出るリヴァプール・ストリート駅までいける。おいおい、地下鉄なら1本で40分なのにさ・・・。一体どれくらい時間を見とけばいいんやろうか。とりあえず“1時間半くらい?”と言ってみたが、しぶ〜い顔のたねださんに“それはリスキーやろ・・・”と一蹴される。彼女曰く3時間くらい?すると、フライトにちょうど間に合う電車が11時25分発なので、8時半には家を出る計算になる。ひぇぇ、早い!でも、飛行機乗れないよりはマシやもんね、仕方ないか・・・。
 
そうこう話しているうちに、カルボナーラ完成!そういえば、私達にとっても久しぶりのパスタ、やっぱり美味しい。そして、昨日仕込んだ餃子をジュージュー焼く。もちろん、さっき買って冷やしておいたビールも一緒!明日の朝は、かなり不安やけど、今考えても仕方ない、おいしいもん食べて、飲んで、ロンドン最後の、いや長〜い旅行最後の晩を満喫したのでした。
 

6月28日    ロンドン観光・その1
ロンドン・アイから見たビッグ・ベン/跳ね上げるところも見たかったロンドン・ブリッジ
朝。昨日の雨が嘘のように、晴れている!これは、たねださんオススメのテムズ川クルーズに行くしかない!という事で、軽く朝食を済ませて出かける。彼女のアドバイスに従い、念の為に折りたたみ傘と上着も持参、地下鉄に乗り込む。
 
テムズ川クルーズの発着地であり、有名なロンドン塔、タワー・ブリッジにも最寄のセント・ポールズ駅で下車。ロンドン塔近くは観光客がごった返し、チケット売り場はすんごい列。ガイドでみた11£という高い入場料も重なり、入る気が全くなくなり、外から拝ませて頂いた。ロンドン塔を半周ほどすると、近づいてきました、タワー・ブリッジ!!あまりのデカさに、ワクワクして小走り状態。橋がデカイ=川がデカイ、世界の大都市には必ず川がつきものだが、フィレンツェのアルノ川、ローマのテヴェレ川でさえもショボく見える。しかもこの橋は2階建て、船が通れるように跳ね上がるというからスゴイ。橋の真ん中からテムズ川をのぞむと、気持ちのいい風を感じながら素晴しい景色を見る事ができる。歴史的建造物に近代的建物がミックスされた町並みはロンドンならでは。フィレンツェなんでぜ〜んぶ古いからねぇ。すぐ目の前にある軍艦は何じゃ?後で聞いたら、ベルファスト号といって現在は博物館になっているらしい。
 
橋を戻って川の方に下りると、ロンドン塔のギフトショップ発見。とりあえず入ると、イギリスならではの王室グッズもいっぱい。エリザベス女王ポスターと買う人いるんか?そして、赤い2階建てバスのティーポット、トースト立てを発見!かわいい・・・欲しい!!と沸き立つ欲望を抑え、テムズ川クルーズに向かう。クルーズは所要時間約30分、両岸の有名な建物が効率的に見れるし、天気の良い日は何より気持ちがいい。終点は、あのビッグ・ベンのある国会議事堂。早く見たくてたまらん。船に乗ると、なんとイタリア人だらけ。私が早速タワー・ブリッジにカメラを向けると、擦れたガキが“おいおい日本人、どこでもカメラ”とか言ってやがる。そう言うお前はロンドンまで来といてヘッドホンつけて寝てるし、どうせイタリア語が分かってないと思ってるんやろうがねぇ。気分は悪いがフル無視する事にした。
 
クルーズでは、建物や橋の説明をしてくれるお兄ちゃんがいて、英語でよくは分からないなりに楽しめた。数々の橋はそれぞれスタイルがあり、そこから手をふる観光客に手をふり返す私(かなりハイテンション)。入らないながらも、ここからシェイクスピア劇場やテート・モダンも見た。クルーズの終盤・・・出た!2000年にオープンしたばかりの世界最大の観覧車・ロンドンアイ!流行る気持ちを抑え、まずは(っていうか、また)お手軽中華で昼食をとる。
 
いざ、観覧車下の行列へ!・・・と思ったら、別にチケット売り場があるので、そこに行くと・・・更にすんごい大行列!!ディズニーランドのアトラクション並だ。しかし、ここまで来たからには乗るしかない。グループは1人だけが並ぶように指示があったので、カードを使う私が並ぶ。並ぶこと約30分、ようやく私の番が回ってきた。1人11.5ポンド=約2300円!!たけぇぇ〜!!だって世界一高い観覧車やもの、値段が高くて当たり前・・・と納得させようとしたが、高いもんは高い。その分、堪能しなくては!チケットを買った後は観覧車下の行列へ並ぶ。よく見てみると、この観覧車、釣り下がった形ではなく、どこからでもどの位置の時でも見えるように、カプセルがいつも外側になるようになっている。それなら高くても許してやろうか(まだ実は納得いってない)。ここでも約30分、私達の番がやってきた!ワクワクしながら乗り込み、カプセルがゆっくり浮き上がってくると・・・さっき川から見た橋、建物が今度は上から、そしてさっきまでいたテムズ川が本当にロンドンの中心を走っている事がよく分かる。8つある鉄道ターミナル駅もそれぞれドデカイ。こんな上から見ても町の端が見えないなんて、やっぱりロンドン、恐るべきデカさ(大都市に慣れていない私)。おぉ、あれがバッキンガム宮殿!おぉ、あれが・・・!とこれから行く名所をチェック。さっき横を通った国会議事堂も、上から見ると、またスゴイ迫力だ。
 
30分の空の旅を楽しんだら、今度は実際に行ってみる。国会議事堂をくるりと1周、ビッグベンも真下から見上げてみる。ウラの公園には、昔世界史で習った“瀕死のガレー人”の像があった。名前は出てきたものの、説明ができない。かつての世界史オタクも年には勝てず・・・。次は隣のウェストミンスター寺院!と張り切って行くが・・・またしても大行列。しかも、全然動かない。きっと入り口ですんごい荷物・ボディチェックが入るのだ。そんでもって、これもパス。だってロンドン・アイであんだけ並んでしまっては、もう無理だす・・・。
 
私達のあきらめの早さに、ガイド役のたねださんも“ほんなら・・・どこ行こう?”並んだりチケット買ったりじゃない(要はぐうたらでケチ)、町並みとか景色系がいい!とリクエストすると、ではコヴェント・ガーデンへ!という事になり、地下鉄に乗る。コヴェント・ガーデンとは元々12世紀に修道院の菜園だった事から名前がつき、今ではのみの市とお店が並ぶ繁華街だ。残念ながら、その横にあった日常生鮮食品の市場は閉まっていたが(やっぱり普通の市場でその国が見えるもんね)、アンティークのアクセサリーや時計、おもちゃのバス模型などを見てかなり楽しんだ。
 
夕方も遅くなり、今晩なに食べようか?という話になった。そこでたねださん、“餃子作ろっか?”おお!おそれば素晴しい!大賛成です!!という訳で、彼女行きつけのスーパーに行くためにピカデリー・サーカスまで戻り、そこにはもちろんない餃子の皮を買いにジャパンセンターへ。何や?ジャパンセンターて?在留日本人向けの情報やら、食材のショップやらがあるらしい。さすがロンドン、規模が違いますがなー。で、そこに着くと・・・“いらっしゃいませー!!”・・・スゴイテンションの店員。一瞬日本に戻ってきてもうたかと思った。久々のお客さまぁー!って響きは新鮮、というかマジでビビッた。ロンドンでこんなん見れるとは・・・。しかし、ショップは7時で閉まってしまうらしく、仕方なくチャイナタウンへ寄って家路を急ぐ。午前中はあんなに天気良かったのに、今日もまた雨が降り出した。
 
家に帰るとお腹ペコペコで、早速夕食の開始する。たねが餃子の具を、私がソバのつゆを作っていると、ダンナはキッチンのドアで“何か手伝う事ない?”と手伝いたそう。ハイハイ、皮に具を包む時にねとなだめて部屋に帰す。そして、“出番ですよー!!”フィレンツェのラーメン屋で食べてから、家で餃子をやってみたかったダンナ、覚えて帰る気満々。具はこれくらいの量で、周りに水をつけて、とやり方を教えると、さすが元コック、手際よく次々に餃子を作っていく。日本女児たるもの、これは負けられん!と私もガンガン作る。その間、たねは焼きに入る。マシンのように餃子100個完成!!・・・って誰が100個も食べんの?とフト我にかえり、今晩と明日で半分こする事にした。もう待ちきれず、買って冷やしておいたビールでかんぱーい!!ソバも具は卵だけなのに超ウマイ!そして餃子は・・・外はパリパリ・中はジューシー!最高でございます!!皆お酒に強くないので、ビールで十分気持ちよくなり、ウッシャッシャと笑いながら食べる3人はきっと端から見たら気持ち悪かったに違いない。そして、就寝。このベッドに3人!と今更ウシャウシャ笑う。・・・で、知らん間に爆睡してました。
 

6月27日    カーディフ→ロンドン
遂に来ました!ピカデリー・サーカス!/素敵なノッティング・ヒルの町並み
朝っぱらからジャニファー・ママは優雅な朝食を用意してくれ、しかもネットでロンドン行きの電車の時刻をチェック、送っていくからそれまで前の公園に散歩しといで、と素晴しいVIP待遇。お土産のバルサミコ酢だけでは申し訳ないくらいだ。お言葉に甘えて3人で公園に行く。住民何人あたりに公園1つ、という法律があるこの国は、都会でも本当に緑がいっぱいで羨ましい。彼女の自宅前のこの公園は超デカく、ボートもこげる湖もあるわ、白鳥いっぱいだわ、バラ園、パームハウスもある充実ぶり。当然のことながら、彼女が小さい頃は毎日ここに遊びに来ていたそうだ。この広い公園を一周してると、電車の発車時刻の20分前!ヤバイ!と急いで家に帰る。
 
家に帰るとジェニファー両親も心配して玄関で待っていた。出来る限りのお礼を言い、荷物を積んでダッシュ!市街に入ってくると、やや渋滞気味。紳士そうなパパが豹変し、ガンガン追い越して何とか駅に2分前に着く。再度ジャニファーとパパにお礼をして猛ダッシュで切符売り場へ。人間土壇場では何とかやれるもんで、“次のロンドン行きの切符2枚!何時発?ホーム何番?”と完璧な英語(と思ってるのは本人だけ?)で乗り切り、滑り込みセーフ!はぁ、最近こんなんばっかり・・・。でも、何とかなってるからええか。
 
ロンドンまでは2時間、あっという間にパディントン駅に着いた。駅はデッカーい!さすが世界の大都会ロンドラ(イタリア語でロンドンはロンドラと言います)!!ミラノの中央駅を更に大きくした感じ?我ら2人は完全に“田舎モン”で、口をポカンと開けてキョロキョロしてしまう。すごいのは、駅の構内に回転寿司があった!やっぱりロンドンは一味違う。さて、問題はたねに無事に会えるかな?カーディフから何時にパディントン駅着という伝言は残したものの・・・やはりいない・・・。ポッツーン・・・。とりあえず携帯に電話すると、今向かっている所という返事があり、一安心してしばし待つ事10分・・・来ました、たねやん!!
彼女の家に行って荷物を置くか、駅で預けるか?・・・昨日の反省もあるので、とりあえず彼女の家に地下鉄で向かう事にする。
 
久々の地下鉄。しょっぱなからスゴイ!!のは、切符の自動販売機は日本語が選択できる!素晴しい!切符片道は高いものの、ワンデイ・パスを使えば1日乗り放題で4.3£と、3回乗れば得する換算だ。地下鉄はアメリカでサブウェイと言うのに対して、イギリスではチューブ。それは形からきているそうで、実際に見て納得!地下鉄は数分おきにガンガンやってくるのに車内は結構いっぱいで東京みたい。彼女の家はセントラルラインのゾーン2で、郊外の住宅街と言う感じ。荷物を置いて一休みしてから、いざ最初の観光はノッティング・ヒルに決定!
 
ノッティング・ヒルは言わずと知れた、ジュリア・ロバーツ主演の映画の舞台。私達も大好きな映画で、その中で見たかわいい町並み、ヒュー・グラントが働いていた本屋もしっかり訪問しといた。大通りや広場に立つアンティーク市、お店の雰囲気もアイルランドともイタリアともまた違って楽しい。ロンドンに着いてからずっと曇っていたが、とうとう雨が降りだした。さすがイギリス、本当にいっつもこうらしい。
 
もう6時近くで店も開いてない為、外で楽しめるスポットという事でピカデリー・サーカスに行く。おおお!ガイドやTVでみたまんま!大きな電飾看板があったり、大道芸人がいる雰囲気は、NYのタイムズ・スクエアみたい。シンボルの天使像の前でしっかり記念撮影。その後ろで大きな人だかりと笑い声がするので行ってみると、マイケル・ジャクソンのなりきり集団が音楽に合わせて各自超陶酔しながら踊っている、ただ1人を除いては・・・その1人とは、普通のTシャツ・ジーパンで頭にピエロのカツラをかぶり、マイケル・ジャクソンとは180度違うダサいダンスで踊る兄ちゃん・・・。大聴衆は、全員彼に視線を集中し、大笑いしていた。私達も、マジで腹が割れるくらい笑った。更に笑えたのは、ショーが終わった後に、何事もなかったように、そのまんまの格好で帰っていった。一体彼は何者なのか・・・本当のショーマンとは彼の事を言うのだろう。見れるもんなら、もう1回拝みたいくらいイケていた。
 
トラファルガー広場に向かう途中、大都市にはどこにでもあるチャイナタウンに寄る。一角に、MISATOという日本料理店発見!たね曰く、日本人留学生に人気のある店で、しかも寿司とか刺身とかでなく、サバ煮込み定食とか、唐揚定食とか、日常日本定食がすごいボリュームで8£程度らしい。これは、今晩行くしかない!!トラファルガー広場に着くと、もう日が暮れていた。が、たねお気に入りの夕暮れのビッグ・ベンは本当に美しく、実はそんなに興味のなかったロンドンが一気に大好きになる。さて、それでは先ほどのMISATOで日本食を堪能しよう!!と来た道を戻ると・・・ガビィィ〜ン!!!店の前、大行列!!!マジで、ショック・・・。ホントに大行列で、雨も降ってきたし仕方なしにその近くの中華へ行くことに。しかし、久々の中華で春巻き、チャーハン、麻婆豆腐、海鮮麺(揚げ麺かと思ったら、ところてんみたいな麺でちょっとガッカリしたが)を堪能した。
 
夜も10時をまわり、明日からに備えて地下鉄で帰路を急ぐ。駅には1枚の張り紙。そこに書かれたStrikeとは・・・そーです!ストライキ!!ストライキの国・イタリアからやって来て、旅行先でまたストに合うとは不幸としか言いようがない。しかも、あさって18時半以降と、しあさって1日中・・・って!私達の帰国日やん!!たねださん、一体どうすればいいのん!?彼女もロンドンにはまだ1ヶ月くらいしかいないのでバスがどんなもんかよく分からんが調べてみる、という事で、嫌な事はすぐ忘れる性質の私達、とりあえず明日以降の観光を楽しみに床につく・・・その3日後、地獄を見るとは知らずに・・・。彼女の部屋はダブルベッドが1つのみ。どうして寝ようかと考えた末、側面に頭を向けて3人並ぶことに。背の高いダンナはヒザから下がはみ出していたが、ちょうど高さの合うイスがあったので、それでベッドを延長する形で完璧!寝にくいかと思い来や・・・疲れもあり、3人とも即行爆眠でした。
 

6月26日    カーディフ観光
カーディフ城の庭にはなぜか孔雀がいっぱい/おとぎ話にでてきそうな郊外カルテル・コッホ
昨日の晩から怪しかったが・・・雨。聞いてはいたが、イギリスったらマジで曇りか雨ばっかり。そういえば、昨日のTVの天気予報もイギリス全体曇り。っていうか、曇りのマークにキラキラ曇り、白い曇り、薄いグレー曇り、濃いグレー曇りって、いっぱい種類がある。要はいっつも曇りなのねん・・・。さて、感じの悪かったこのホテルとはおさらばという事で、荷物をまとめて駅へ行く。小雨が降っているが、大荷物なのでパーカーのフードを首にしっかりくくりつけて行く。この格好もすっかり慣れた。
 
駅に着くが、昨日チェックしたインフォメーションが閉まってる・・・8時半オープンなはずなのに?切符売り場に聞くと、用件は?と聞くので荷物を預けたいと言うと、“できません”・・・なぁにぃぃ〜!?訳分からん英語で思わず“そこに書いてあるやろがぁ〜!”とツっこんでみたが“for security”と冷たく言われた。2人、ボー然。昨日のゴミ箱ない事件といい、イギリスはテロに怯えている。そんなんやったらテロされるような事はするな!と叫んだが、荷物はずっしり肩にのっかったまま。ならば、どうする・・・ホテルに戻るしかない。行きは感じなかった荷物の重み、雨、距離を一気に感じる。昨日は何も確認せずに行ってなかったから仕方がないが、今回は昨日ちゃんと確認したのに・・・ブツブツブツ。感じの悪い受付に何とか荷物を預け、更に同じ道で駅に戻る。雨も本降り。幸運にもバスは頻繁に出ていたので、駅のバールで朝食を済ませ、バスに乗り込む。
 
本日の予定一発目は、カステル・コッホ。ガイドで見て私がカーディフで一番楽しみにしていた、伯爵の夏の別荘だ。コッホとはウェールズ語で赤を意味し、薄紅色のレンガ造りに、窓などは全て赤で統一されていて、まさに童話の中から出てきたかのよう!バスで40分ほどすると、運ちゃんが呼ぶので行くと、私達の為にバス停よりも城に近いところで止めてくれ、城へはこの道で、帰りはこのバス停、といろいろ教えてくれた!嫌な事の後には、エエ事もあるもんや、おっちゃん、アリガトー!!雨も降ってるけど、おっちゃんのおかげで気分良く歩いてゆく。あ!山ん中にガイドでみたおもちゃみたいな建物が見える!GO〜!!山の中にひょっこり建つ赤い城は、思ったよりも小さくて、更に童話っぽく感じる。中は私達とドイツ人?の家族連れのみだった。外観も同じく、中の造りもとても可愛い。階段を上ってすぐの部屋に入ると・・・ブィィ〜ンという音。おじさんが掃除機をかけていた。私達を見るなり、掃除機を止めて部屋の説明をしだした。私達が英語イマイチと見ると、ゆっくりジェスチャー付。この人はタダの掃除のオッサンか、ガイドなんか?ご好意はしっかり受けさせて頂いて、次の部屋もおっちゃんが説明しながら連れて行ってくれた。上まで来ると、テラスに出られるから1周しておいでと言われて外に出る。雨が降ってるので即行帰ってくると、おっちゃん、また掃除機をかけている。私達が帰ってくるのを見ると、またまたガイドは続く・・・。まさに城ごと2人占めで、かなり満喫した。おっちゃん、ありがとう!!下の売店に入ると、ジェニファーが結婚式の時に私達にプレゼントしてくれた、ウェールズ名物のラブスプーンがあった。木彫りのスプーンであるが、いろいろなシンボルを組み合わせて、それぞれに意味があり、思いを込めて大切な人やカップルにプレゼントする。面白いのは、ラムネの瓶みたいにボールが中にはいってるやつで、このボールは子供の数を表すらしい。これは新婚のユリカ・ジャンニ夫妻に買って帰ろうと決めていたが、きっとチェントロの方が種類も多いとみて、ここでは買わずに城を出る。
 
帰りも問題なくバスに乗る。一抹の不安は、朝に電話しても連絡のとれないジェニファー。昨日ケンブリッジ大の卒業式があり、今日引越しの荷物とともにカーディフの実家に帰ってくる予定で、私達も今晩は彼女の実家にお世話になるんやが・・・。バスが次の観光場所・カーディフ城の近くを通ったので、駅まで戻らず降車。雨は少し小降りになってきた。カーディフ城もガイド付見学のみなので、まず見学開始時間をチェックすると、なんと10分後。お腹もすいてきたが、そのまま参加。今度のガイドさんは熟練のおじさん。所々ギャクを取り混ぜてるようだったが、英語が難しすぎて私達には理解不能。申し訳ないが説明そっちのけで自分達が見たいもんを勝手に見させてもらった。残念ながら、城のシンボルであるクロック・タワーは修復中であったが、贅沢でかつ趣向がこらされた部屋は見ごたえがあった。
 
昨晩行きたかったウェールズ郷土料理店が開いているので、昼食はそこで。体が冷えきってるのでスープと、いつものごとく土地のものを!という事で、郷土料理の欄からダンナはミートボールの煮込み、私は何かよく分からんけど“ウェールズの典型的な昼食”と注のあったものを注文する。その訳分からんもんが、ドデカイ木のプレートにのってやってきた。チーズ、パスタ、サラダ、豆、なんかもう忘れる程いろんなもんがのっていた。格闘するようにそれを食していると・・・グゥッ・・・とお腹が痛い。そう、実はしばらく便秘気味。冷えた体+暖かいスープ+食べまくりで、胃が悲鳴をあげてるようだ・・・。行儀悪いと思いながら、急いで2階のトイレへ。幸運にも2階はトイレとスタッフルームのみで気にせず長居できそう。しばらく頑張ってると・・・バタバタバタっと階段を駆け上がってくる音!さっき下にいたガキんちょのようだ。しかもドアをガンガン開けようとする。頼むからゆっくりさせてくれ〜。一度下に下りて、もう1人のガキに何か言ってる。で、また来た!!ガンガンガンガン〜ってぇぇ、クソガキめ!落ち着いてキバらせろ!!ガキのせいか、出るもんも出なくなりギブアップ。でも注文してたウエルシュ・ケーキはしっかり食べ、店を後にする。
 
もう1回ジェニファーに電話。相変わらずコールはあっても出ず。不安になりつつ、とりあえずメッセージを残す。するとダンナが“オレもヤバイ”と言い出し、2人してデパートの落ち着いたトイレで頑張らせてもらう。ハァ〜、こんなままじゃ観光できなかったもんね。スッキリした所で土産屋を探すも、州都のくせに土産物屋というのが全然ない!近代的なショッピングセンターやデパートばかり。シティホールやインフォメーションの方にも行ってみるがシーン・・・。閉店時間も近づいてきたので、カーディフ城前の唯一のギフトショップへ。そこはラブスプーン・スタジオというのが併設されているが、カルテル・コッホの倍近い値段・・・あっちで買っとけば良かった。今更どうしようもないので、ユリカ・ジャンニにぴったりのシンボルを探す。あった!ハートの上にロック=愛の安全!18歳下のピチピチ妻を持ち心配症のジャンニにピッタリだ。
 
再度ジェニファーに電話するも同じ。留守録にホテルにメッセージを残すよう入れといた。6時をまわり店も閉店したし疲れたので、とりあえずホテルに帰る。メッセージが届いてないか受付に聞くが、更に感じ激悪の兄ちゃんが無言で首をふる。再度ジェニファーに電話、でも同じ。何で?2人して途方に暮れる。もしこのまま連絡つかなかったら?今日の宿はどうする?こんな感じ悪いところでまた1泊分のお金を払うのであれば、日程短縮のためにもロンドンに行ったほうがいいのでは?と思いつき、ロンドンで泊めてくれる高校からの友人・たねに電話してみる。が、彼女も同じく電話に出てくれない。ウゥゥ〜。両方に何回か電話を繰り返す。すると!ジャニファーがやっと出た!“ごっめ〜ん”・・・ツーっと電話が切れる。すると使っていた公衆電話が鳴る!不安ながらも電話をとるジェニファーから。どうも引越しが思ったよりも大変で、メッセージは聞いていたが、車中は電波が悪くて受けるのもかけるのもできなかったらしい。結局ホテルまで迎えにきてもらう事になったのだが、彼女はホテルに問い合わせてメッセージを残そうとしたが、そんな宿泊客もいないし、メッセージを待っている人もいないと言われたと言う!電話した時間を聞くと、すでに私達がホテルに着いてメッセージの件を聞き、受付の前に座って公衆から繰り返し電話をかけてる頃だった・・・お前ら、目ェないんか〜!!怒りはこみ上げるものの、疲れ果て、何より安心感でフヌケ状態で彼女のお迎えを待つ。
 
約15分後、“チャアオォ〜!”とジェニファー登場!感極まって抱き合ってしまった、が、受付の対応にキレた彼女は受付に直行し、すんごい勢いの英語で怒りをぶちまけている!会えたからもういいよ〜と私らの怒りはすっかりおさまっていた。外に出ると、初!ジェニファーパパ!スラリとした紳士でかっこいい!車に乗るとアイルランドの旅行の事、ジェニファーの卒業式の事をしゃべってる間にあっという間にお宅へ到着。ここは郊外の住宅街で、丸い出窓のついた邸宅が並ぶ。そして、これも初!ジャニファーママ!いかにも優しそうな感じで、疲れたでしょう?と2階のゲストルームに案内してくれた。少ししたら夕食が準備できたよーとお声がかかったので下に下りると、また素敵なダイニング。ジャニファーがイタリア滞在時に彼らも旅行に来て買ったな、というフィレンツェの絵や置物がたくさんあった。メニューはサーモンステーキに、茹で野菜の盛り合わせ(モチロン主役はじゃがいも)、美味しいワイン・・・で、私達はさっきまでの不安と疲れがふっとんでゴキゲン。ゴキゲンついでに、ジェニファー地元友達御用達のパブにも行っとく。昨日の晩、町中でみたディスコ風のパブでなく、地元のおじさんも通うイイ感じのパブだった。実はウェールズ初のパブ、という事でオススメを聞いてみると、ブレインというウェールズ産のビールが数種類あるので、カウンターのおばさんに何種か味見させてもらう。ビール片手におしゃべりしながら、ウェールズ最後の夜は更けていった。
 

6月25日    カナーヴォン→コンウィ→カーディフ
ウェールズの旗がなびくコンウィ城/赤いのが“イギリス一小さい家”マジでちっちゃい!
朝・・・昨日の一件をジョンさんに謝らなければ!昨日のスゴイ様相とは裏腹に、ジョンさんは笑顔で朝食サービスしていた。私達のテーブルに来たので、“昨日の晩は・・・”と切り出すと、ジョンさん、いいよ、いいよと言いながら、涙をふいたり小石を蹴ったりするジェスチャーをして笑わせてくれた。満室のダイニングの奥に、ウェールズに来て初めて東洋人発見!どうやら女性の1人旅のようだ。そこでジョンさん、“どもしまして!”と妙な日本語を発している。彼女は日本人で、ジョンさんから“You are welcomeは日本語で何て言うの?”って聞かれてたようだ。うちのテーブルでは、もちろんイタリア語で何て言うか聞いてきた。いやぁ、言葉ってホントに難しいねぇ!ってジョンさんったらホントにお茶目だ。
 
最後の挨拶をして、コンウィへのバスへ乗り込む。バンゴールを経由して海沿いを約1時間。ここも終点だから安心して景色を眺める。海はまだ完全な満ち潮ではなく、地ベタが見えている。しかし、今日は天気が良い。これがスノードニアの日だったらな・・・と思ったが、こればっかりは仕方がない。
 
コンウィに着くと、まずは今晩の宿泊地・カーディフへの電車の時刻確認+荷物預かり所を探す。私達の予定では駅にあるはずだった・・・が、駅は無人駅。時刻表を見るも、どうも乗り換えが必要なようでよく分からない。嫌な予感を感じつつ、とりあえず城入口のツーリスト・インフォメーションへ。窓口のおばちゃんに荷物預かりについて聞くと、“残念ながらありません”・・・嫌な予感、的中。ここで預かってもらえませんか、とデカイリュックを見せて悲壮感を漂わせてみたが答えは同じ・・・。ウェールズに着いてから結構スムーズにいってたのに、久々にイタイ。電車について尋ねると、おばちゃんのくせに巧みにパソコンを操って、時刻・乗り換え駅などを全てプリントアウトしてくれた。無人駅なので切符は乗ってから回ってくる車掌さんから買う事、乗車する人がいなかったら電車は止まらないので、電車が近づいてきたら手を振って意思表示するように、と忠告も頂いた。荷物の件はショックだが、おばちゃんのおかげで万全体制で城内観光に向かう。
 
コンウィ城はカナーヴォン城と比べるとやや小さいが、城というよりは強固な要塞の雰囲気が漂う。中に博物館のような展示などは一切ないが、塔全てに登る事ができ、そのからの眺めが素晴しい。北部に広がるコンウィ川とそれにつながる海、そして城北西に広がる町。城壁は完璧に残っており、その上の大部分が歩けるようになっている。地図とその眺めを見ながら、電車の時刻までどう回るか予定を建て、各塔を上っていくが・・・急な螺旋階段を約10キロのリュックをしょって何回も上り下りしてると、体力のある私でもさすがに辛い。しかも、遠足の小学生軍団が行く手をはばむは、突進してくるわで大変。時間もある事だし、休み休みゆっくり回った。
 
その後、城から一旦出て別の階段を上り、城壁の上を歩く。最西部の塔へ行く部分は上り斜面でちとキツかったが、景色の素晴らしさで疲れもふっとぶ。ちょっとマゾも入ってきたのか、この荷物をしょっての観光も良い経験だー!と歌を歌いながら城壁を渡り歩く。最北部の塔まできたら下におり、川沿いを歩いて、“イギリス一小さい家”に向かう。いた!ガイドで見たとおりの、昔の衣装を身にまとったおばさん。軒先にはちょっとしたお土産物も売っている。家はというと・・・マジでちっちゃい!中に入るのは、もちろん最大2人づつで、入る前に国籍を言うと、その言語での説明テープを流してくれる。私達はイタリア語を選んだが、ちゃんと日本語もあった。中に入ると、ベンチと炉があり、そこがいわばダイニング・キッチン。ナント2階もあり、はしごを上ると寝室があった。18世紀にはここに夫婦2人が住んでいたというから驚き!
 
電車の時間も近づいてきたので、町の大通りから駅に向かう。途中のスーパーで昼食の買出し。いつものようにヨーグルトと、お菓子、そして異常に汗をかいて喉カラカラなのでコーラも買う。余裕を見て駅に着き、ホームのベンチに座ってコーラとお菓子を食べていると、不安そうな金髪の女の子が“何時の電車に乗りますか?”と聞いてきた。答えると、同じだったようで彼女も私達もひと安心。電車が来る時刻ほぼ定刻に、ポッポーという音が聞こえる。来た!これは意思表示をしっかりして止めなければ!!と気合を入れてヒッチハイクポーズと大きくとる。・・・ダンナは?後ろで“そんな気合入れんでも・・・”と笑っている。アンター!止まらんかったらどうすんの〜!この大げさポーズのおかげで電車は停車(当たり前か)、嬉々として乗り込む。荷物の一件があったにせよ、コンウィはとても可愛い町で気に入った!
 
おばちゃんの言っていた通り、しばらくすると車掌さんが回ってきた。行き先を告げて切符を買う。クレジットカードももちろんOKで余裕。しかし明細を見てビックリ!93.4£=約2万円!イタリア鉄道の値上げにブーブー言っていたが、ココに比べれば安い(サービスもその分悪いけど)もんだ。小1時間後、予定通り乗り換えの駅に着く。すると、隣の人がゴミをカウンターに放ったらかしで降りてゆく。なんと行儀の悪い!と自分のゴミ袋に一緒に入れるも、他の人も皆放ったらかし。これはケシカラン!が、ホームにおりても、何故か1つもゴミ箱がない。なんで?ゴミ箱を探してる間に、20分ほど遅れて列車がやってきた。周りの人に確認すると、皆カーディフに行くと言うので安心して乗り込む。席は結構空いているように見えるが、座席には“reserved”と書いた紙がいっぱい挟んである。何とか2つ並んだ空席を2つ見つけて一安心。カーディフ到着予定は5時だが、もうちょっとでカーディフというある駅で、停車したまま1時間足止め。あとで、隣のおばさんが先の駅で事故があったと教えてくれた。結局カーディフ到着は2時間遅れの7時。合計6時間の長旅であった。
 
乗客はさっきと同じように、ゴミは全て置き捨て。そしてホームにはゴミ箱なし。構内のバールでようやく捨てれたが、あとでジェニファーに聞いたところ、テロの恐れからゴミ箱は置かず(爆弾など仕掛けられない為)、掃除の人が頻繁に回ってくるらしい。ホテルへはHPから地図をプリントアウトしていたので、すぐに分かった。結構大きな町なのにホテルが少なく、初めてモダンなチェーンホテルに泊まる。しかし・・・受付、感じわっる〜!部屋は清潔で大きいし良いのだが、受付があんなんじゃぁアカン!ともあれ、荷物を置いて町に出る。ホテルは駅から少し離れているので、ジェニファーと待ち合わせる時の事も考えて駅に荷物預かり所があるか確認する。切符売り場横にツーリストインフォメーション発見。荷物預かりもあったし、朝8時半から開いているので、OK!それから駅前のバスターミナルで明日午前中に乗るバスの確認、これもOK。確認すべき事も終わったので、後は夕食。カーディフは州都だけあって、町は大きく近代的。デパートやアーケードがあちこちにあり、なんか日本みたい。が、そんな町中に巨大な建物が!1999年のラグビー・ワールドカップ時に建てられたミレニアム・スタジオだ。しかし、町のど真ん中とはスゴイ。お店はいっぱいあるものの、ここもアイルランドと同じく閉店時間は早くて皆閉まっている。私達も疲れているので、ガイドでチェックしたウェールズ郷土料理店へ行くが、何故かここも閉まってる・・・。さて、どうするか?ダンナが久々にピザでも食べたいと言い出した。確かに!町中にはイタリアンは山ほどあるので問題なし。メニューを覗くと、前にジェニファーが言っていた笑える表現が多い。DRINKS、FOODSと同じく、PIZZAも複数形という事でPIZZAS!PIZZAの複数形はPIZZEなんやけどな〜。PASTAも同じくPASTAS。更に笑えるのが、PANINIS。単数形がPANINOで、PANINI はもう複数形になってるのに更にSが付いている。値段はというと、結構お高い!ならば、どうせ本場に負けるんだから、思い切ってピザ・ハットに行ってみた。もちろん、ダンナはピザ屋のチェーン店は初体験。意外とイケたし、安かったので満足して宿に帰った。
 

6月24日    スランべリス→カナーヴォン
スランべりスのかわいい湖岸列車/難攻不落で名高い、すごい迫力のカナーヴォン城
朝、おそるおそるカーテンを開ける・・・見事に曇り。雨は降っていないし、雲の流れが早いので、何とか昼頃には晴れてくれと祈りながら朝食へ。
朝食を食べながら、窓から空を見る。相変わらず曇りだけど、登山グループは私らのように観光ではなく本格的登山に行くようで、そういう格好をしていた。ともかく、荷物をまとめて1階に置かせてもらい、次の目的地カナーヴォン行きのバスの時刻も確認して歩き出す。山の方を見ると・・・完全に真っ白でスッポリ霧に隠れている。昨秋、日本に富士山を見に河口湖に行って何も見えなかったのと同じ状況・・・。山岳列車は最後の望みにかけるとして、湖岸列車に先に乗る事にするが、次の列車までは1時間もある。近くにあったエレクトリック・マウンテンという博物館に入ってみる。ここスノードニア国立公園の歴史などの展示をくるっと回り、受付で紹介されていた揚水発電方式の見学ツアーに参加しようと思ったが、湖岸列車とバッチリ時間が重なっていた。結局、湖岸列車を優先し、時間にもなったので駅に向かう。しかし、寒い!!切符を買ってホームで待つ間も風も強く、マジで凍えた。すると、ポッポー!とカラフルなミニ列車がやって来た。ミニ列車の中は全て木製で、昇降式の窓を止めるのが皮のベルトだったり、作りがすごく可愛い。ただ、この天気と寒さで目の前に広がる湖も山(低いとこだけしか見えない)も厳しい自然をイメージさせるだけ・・・途中停車する駅でも、寒さにくじけて降りず。昼12時頃になっても天候は一向に変わらず、このままここにいても仕方ないので、バスの便を早めてカナーヴォンに向かう事にする。ガイドや絵葉書で見た雄大な山は、私達にその面影さえも見せてくれなかった・・・残念!
 
バスは定刻にやってきて、40分ほどでカナーヴォンに到着。そこで、明日の観光ポイント・コンウィ行きの電車が出るバンゴールまでのバスを調べていると、バンゴール経由で行かなくても直通バスがある事が発覚!これは素晴しい!バスターミナルは城壁の外にあるが、地図に従ってキャッスル・スクエアまで出ると、デデーン!と城がそびえていた。これは見ごたえありそー!はやる気持ちを抑えて、まずは城壁内にあるB&Bへ。城壁内は思ったよりも小さく、閑散としている。メールで予約を入れた時から感じがよさそうだったB&B・Cear Menai は、ドアを開けた瞬間に“これは当たり!”と直感した。呼び鈴を鳴らすと、顔に良い人って書いてありそうなくらい感じのいいジョンおじさんが出てきて、どこから来たの?明日はどこ行くの?とゆっくりとした英語でしゃべりながら部屋を案内してくれた。部屋の内装も素敵で、おじさんは明日の朝食をいつ用意しようか?バスは何時?といろいろと心配してくれる。ホンマにエエ人や!!時刻はもう2時前になっていたので、外に出て昼食を食べる事にする。最初カフェのような所に入るも、店員の感じも悪く、結構お高い。アイルランドからウェールズに入り通貨がユーロからポンドに変わったが、何となくユーロと錯覚するけれど1ポンドは1,5ユーロ!気をつけて換算しないとすごい出費になってしまう。向かいのパブが開いていたので、そこでフィッシュ&チップスとハンバーガーを食べる。付け合せはもちろん、山盛りフライドポテト!1日1キロじゃがいも食べてる気がしてきた。
 
十二分に休んだところで、お待ちかねのカナーヴォン城へ!この城は世界遺産にも指定されているウェールズの古城の中でも一際大きく、何よりも1969年に行われたチャールズ皇太子のプリンス・オブ・ウェールズ叙任式が行われた事で有名だ。チケットを買って中に入ると・・・超デカイ!元々13世紀に軍事目的+政治の場として建てられたこの石の巨大な建物は、すんごい迫力で、難攻不落の城として名高かかった、というのにも納得。中に入ると薄暗く、まるで迷宮に入り込んだみたい。南側にあるクィーンズ・タワーは博物館になっていて中を見て回るが・・・てっきりこの城の歴史とかだと思っていたのに、要はイギリス軍の歴史で、その歴史がいかに素晴しいか、しかも最後には現在のイラク戦争コーナーまであり、それを正当化しているようで、気分が悪くなった。あるタワーの下では、チャールズ皇太子への叙任式コーナーがあり、そのビデオ放映と、その時使用された調度品などの解説があったが、さっきの軍隊博物館ですっかり気分を害した私は“税金の無駄使いしやがって”と即行外に出た。外は、海に面してるだけあってカモメがいっぱい。塔の上には巣もあり、ふわふわの赤ちゃんカモメも発見!近づいて写真を撮るが、お母さんカモメが上でキィキィ鳴いていて、つつかれそうでちょっと怖かった。
 
広い城内を歩き回ったりタワーに上ったりしていると結構疲れたので、ちと早いが先ほどのパブに夕食に行く。が、平日なので食事サービスはなし。でも喉が渇いてるので、軽くビールをいっといた。旅行で結構飲みなれてきたビールだが、すきっ腹だったので少し飲むとかなりいい気分になってきた。いったん宿に戻ると、私は知らぬ間に爆睡、ダンナはTVでサッカーを見ていた。時刻も7時をまわっていたので、再度夕食に出かける。パブは食事ができないし、じゃがいもはもう勘弁という事で、またまたインディアンに行ってみる。こっちでのインディアンははずれなく美味しく、納得価格で安心。
 
お腹がいっぱいになり、外もまだまだ明るいので城壁の外の海岸沿いへ行こうとするも・・・さっき城のタワーから見た港が干上がっている!ナントここは引き潮があって、港は完全に地ベタ丸出しだった。港の入り口の回転式の橋(きっと船が入る時に回転する)を渡ると、素晴しい夕陽がメナイ湾いっぱいに広がっていた。夕焼けを見ながら遊歩道を散歩し、帰ってくる頃にはやっと薄暗く、城がライトアップされて一段とキレイだった。今度は城壁沿いに散歩して、別の入り口から町に入って宿に帰った。
 
帰った時、念の為にモーニングコールをしてもらおう、とベルを鳴らす。・・・シーン・・・しばらくして、奥さんが物音をたてながら小走りででてきた。その後ろからスゴイ様相のジョンさんが噛み付きそうな勢いで突っ込んできた。何でそんなんなんか分からないまま用件を告げると、奥さんは彼をなだめるようにOK、OKと言いながら奥に引っ込んだ。部屋に戻り、何事だったのかな?と思いながらTVをつける・・・と!・・・ゴメンなさい、ジョンさん・・・もう終わったと思い込んでいたサッカー欧州杯準々決勝イングランド対ポルトガルの、しかもPKの真っ最中だった!!結果は、その前のイギリスのシュートを止めたキーパーがゴールを決め、ポルトガルの劇的勝利・・・っていうか、イングランド、劇的敗北・・・改めて、ジョンさん、すいましぇ〜ん・・・。
 

6月23日    ダブリン→(ウェールズ上陸)→スランべリス
スランべりスのホテル/ダブリン港の眺め
今日はとうとうアイルランドから旅立つ。1週間しかいなかったのに、内容が濃かったのですんごく長く感じる。そんな事に浸るまもなく、ウェールズへのフェリーは朝9時5分と早いので、早めに起きて荷物をまとめて下へ降りる。昨日レセプションでダブリン港行きのバスを聞いたが、バス停もここから歩いて(しかも大荷物+雨)10分はかかるし、便が少ないと言うのでタクシーを呼んでもらう事にした。待ってる間に朝食、と思ったら即行到着!急いでコーンフレークをほおばり、タクシーに乗り込む。昨日と同じく、タクシーの運ちゃんは親切で、どこに行ったのか、どこに行くのかと話しかけ、ダブリン港に行くまでに通った市場や建物の説明もしてくれた。
 
ダブリン港はデカイ!やはり外国間のフェリーだし、アラン諸島のそれとは規模が違った。チェックインもまるで空港だし、荷物も預ける。プリントアウトした予約フォームで、あっという間に終わった。子供のような気分でフェリーに乗り込む。“おぉ〜、まるでタイタニックやなぁ!”と大きなフェリー=タイタニックしか思い浮かばない貧困な表現・・・でも、それくらい大きくて、中のインテリアも上品で、ショップやレストランのみならずゲームセンターや映画館まである!ショップでは昨日買えるはずだったのに買えなかった最後のアイルランド土産を買う。おかげで、3時間の船旅もあっという間だった。
 
12時すぎ、ウェールズの北部の島・ホリーヘッドに到着。近いといっても外国からの入国になるので、パスポートチェックが待っていると思っていた。が・・・荷物をとり、出口方向に行くとホリーヘッド駅までの送迎バスが待っていた。あれ?ま、いいか。今日の目的地・スランべリスに行くには、まず電車でバンゴールに行かなくてはならない。窓口で無事に切符購入。売店で昼食を買って、車内で食べる。今日はこれから更にバスにも乗らなければならない、大移動の日。しかし、この1週間、大小ハプニングを何とか乗り越えてきた。英語にも少し慣れてきた(というか、恥も捨てて頑張れば何とかなる)し、余裕の私達。約1時間半後、バンゴールに到着。駅の下でバスの案内版を見るが、何番のバスかは分かったものの、それがどこから出るのか分からず。タクシーのおっちゃんが乗せてくよーっと誘ってきたけど、当然のごとく高いのでお断り。お断りしながら、どこからバスがでるか聞いたら、町の中心のバスターミナル、と言われ、小雨の中、歩きだした。イギリスのガイドは、フィレンツェの友人からJTBのものを借りた。そこの地図にもバス停のマークが町の中心にあったのでそこをめがけて歩く。町の雰囲気はアイルランドとはあまり変わらないが、カラフルな色使いは少なく、落ち着いた石造りが多い。庭は相変わらず美しく手入れされていて、大荷物を抱えて雨の中徒歩でも、庭に目を追っている間にバス停にたどりついた。駅下でチェックした番号のバスにはスランべリスと書いてあり、ここも難なくクリア。リュックをようやく肩から下ろせた。バスも定刻に発車し、グルっとロータリー回って行った先は、バンゴール駅近く!あぁ、歩かんでもよかったのに・・・ま、町並み見て行けたし、ええか(このポジティブさが大切!)。
 
小さな町をいくつか通り過ぎ、スランべリスへは私達2人のみ。じーっと外を見ていると、HPで見た三角屋根のホテル発見!ホテルが並ぶ通りなので、運転手さんも、“ここで降りる?”とタイミングよく聞いてくれ、すぐそばで降りる事ができた。呼び鈴を押すと、パンダのセーターを来たおじさんが出てきた。その風貌は、まさに山のおじさん。名前を言うまでもなく(これももうお決まり)2階の部屋に案内してくれた。濡れた上着を脱ぎ、荷物を整理する。今日は大移動日とはいえ、結構すんなりで、まだ5時。夕食にも早いので、明日の乗る予定の湖岸・山岳電車の駅の場所と発車時刻も確認がてらに外に出る。小雨やから傘いらんか、というのが大間違い。引き戻すのもどうかな?という所に来たら、もうお決まりのように雨が本降りになってきた。それにも、もう余裕。濡れてわめいた所でどうにもならないので。そのまま歩く。問題は雨に濡れることより、この霧で肝心の山が全て隠れている。この山がなければ、ここに来た意味なし・・・しかし、来てしまったからにはもうどうしようもない。町の端の城跡、各駅の確認をして、スーパーでご無沙汰だったヨーグルトとお菓子、ハガキを買って帰る。
 
当然のごとく雨で靴からズボンからびっちゃびちゃ。タダでさえも気温が低くて寒いし、靴を乾かさないと明日履くものがない。が、部屋の暖房の使い方が分からず、下に聞きに行く。するとおばさん“え?寒いの?”って、きっと彼らからすれば今日は暖かいのか?ともあれ、暖房のつけ方を聞き、服と靴を乾かしたいと言うと、下のボイラー室に置いてあげるから持っておいでと言ってくれた。洗濯した下着は持って行く訳にいかないので、ドライヤーも借りる。洗濯物を乾かして、お菓子なんかを食べてると7時。今日はここで夕食付にしておいたので下に下りるのみ。他には、いかにも山登りに来ました!という登山グループが2組、常連らしきおばさん2人がいた。メニューは、野菜のスープに鶏の煮込み、魚のグリル、付け合せは茹でたじゃがいも・いんげんてんこ盛り。アイルランドのみならず、やはり、ここもじゃがいもか・・・(美味しいけど、ここまで毎日は辛い)。
 
夕食を食べてもまだ9時。雨も降ってることだし、今日は休息日と決めて部屋に戻り、シャワーを浴びて、濡れたのもをドライヤーで乾かして就寝。こんなんで明日はどうなる事やらと、ちょっと心配しながら・・。
 


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