朝。昨日の雨が嘘のように、晴れている!これは、たねださんオススメのテムズ川クルーズに行くしかない!という事で、軽く朝食を済ませて出かける。彼女のアドバイスに従い、念の為に折りたたみ傘と上着も持参、地下鉄に乗り込む。
テムズ川クルーズの発着地であり、有名なロンドン塔、タワー・ブリッジにも最寄のセント・ポールズ駅で下車。ロンドン塔近くは観光客がごった返し、チケット売り場はすんごい列。ガイドでみた11£という高い入場料も重なり、入る気が全くなくなり、外から拝ませて頂いた。ロンドン塔を半周ほどすると、近づいてきました、タワー・ブリッジ!!あまりのデカさに、ワクワクして小走り状態。橋がデカイ=川がデカイ、世界の大都市には必ず川がつきものだが、フィレンツェのアルノ川、ローマのテヴェレ川でさえもショボく見える。しかもこの橋は2階建て、船が通れるように跳ね上がるというからスゴイ。橋の真ん中からテムズ川をのぞむと、気持ちのいい風を感じながら素晴しい景色を見る事ができる。歴史的建造物に近代的建物がミックスされた町並みはロンドンならでは。フィレンツェなんでぜ〜んぶ古いからねぇ。すぐ目の前にある軍艦は何じゃ?後で聞いたら、ベルファスト号といって現在は博物館になっているらしい。
橋を戻って川の方に下りると、ロンドン塔のギフトショップ発見。とりあえず入ると、イギリスならではの王室グッズもいっぱい。エリザベス女王ポスターと買う人いるんか?そして、赤い2階建てバスのティーポット、トースト立てを発見!かわいい・・・欲しい!!と沸き立つ欲望を抑え、テムズ川クルーズに向かう。クルーズは所要時間約30分、両岸の有名な建物が効率的に見れるし、天気の良い日は何より気持ちがいい。終点は、あのビッグ・ベンのある国会議事堂。早く見たくてたまらん。船に乗ると、なんとイタリア人だらけ。私が早速タワー・ブリッジにカメラを向けると、擦れたガキが“おいおい日本人、どこでもカメラ”とか言ってやがる。そう言うお前はロンドンまで来といてヘッドホンつけて寝てるし、どうせイタリア語が分かってないと思ってるんやろうがねぇ。気分は悪いがフル無視する事にした。
クルーズでは、建物や橋の説明をしてくれるお兄ちゃんがいて、英語でよくは分からないなりに楽しめた。数々の橋はそれぞれスタイルがあり、そこから手をふる観光客に手をふり返す私(かなりハイテンション)。入らないながらも、ここからシェイクスピア劇場やテート・モダンも見た。クルーズの終盤・・・出た!2000年にオープンしたばかりの世界最大の観覧車・ロンドンアイ!流行る気持ちを抑え、まずは(っていうか、また)お手軽中華で昼食をとる。
いざ、観覧車下の行列へ!・・・と思ったら、別にチケット売り場があるので、そこに行くと・・・更にすんごい大行列!!ディズニーランドのアトラクション並だ。しかし、ここまで来たからには乗るしかない。グループは1人だけが並ぶように指示があったので、カードを使う私が並ぶ。並ぶこと約30分、ようやく私の番が回ってきた。1人11.5ポンド=約2300円!!たけぇぇ〜!!だって世界一高い観覧車やもの、値段が高くて当たり前・・・と納得させようとしたが、高いもんは高い。その分、堪能しなくては!チケットを買った後は観覧車下の行列へ並ぶ。よく見てみると、この観覧車、釣り下がった形ではなく、どこからでもどの位置の時でも見えるように、カプセルがいつも外側になるようになっている。それなら高くても許してやろうか(まだ実は納得いってない)。ここでも約30分、私達の番がやってきた!ワクワクしながら乗り込み、カプセルがゆっくり浮き上がってくると・・・さっき川から見た橋、建物が今度は上から、そしてさっきまでいたテムズ川が本当にロンドンの中心を走っている事がよく分かる。8つある鉄道ターミナル駅もそれぞれドデカイ。こんな上から見ても町の端が見えないなんて、やっぱりロンドン、恐るべきデカさ(大都市に慣れていない私)。おぉ、あれがバッキンガム宮殿!おぉ、あれが・・・!とこれから行く名所をチェック。さっき横を通った国会議事堂も、上から見ると、またスゴイ迫力だ。
30分の空の旅を楽しんだら、今度は実際に行ってみる。国会議事堂をくるりと1周、ビッグベンも真下から見上げてみる。ウラの公園には、昔世界史で習った“瀕死のガレー人”の像があった。名前は出てきたものの、説明ができない。かつての世界史オタクも年には勝てず・・・。次は隣のウェストミンスター寺院!と張り切って行くが・・・またしても大行列。しかも、全然動かない。きっと入り口ですんごい荷物・ボディチェックが入るのだ。そんでもって、これもパス。だってロンドン・アイであんだけ並んでしまっては、もう無理だす・・・。
私達のあきらめの早さに、ガイド役のたねださんも“ほんなら・・・どこ行こう?”並んだりチケット買ったりじゃない(要はぐうたらでケチ)、町並みとか景色系がいい!とリクエストすると、ではコヴェント・ガーデンへ!という事になり、地下鉄に乗る。コヴェント・ガーデンとは元々12世紀に修道院の菜園だった事から名前がつき、今ではのみの市とお店が並ぶ繁華街だ。残念ながら、その横にあった日常生鮮食品の市場は閉まっていたが(やっぱり普通の市場でその国が見えるもんね)、アンティークのアクセサリーや時計、おもちゃのバス模型などを見てかなり楽しんだ。
夕方も遅くなり、今晩なに食べようか?という話になった。そこでたねださん、“餃子作ろっか?”おお!おそれば素晴しい!大賛成です!!という訳で、彼女行きつけのスーパーに行くためにピカデリー・サーカスまで戻り、そこにはもちろんない餃子の皮を買いにジャパンセンターへ。何や?ジャパンセンターて?在留日本人向けの情報やら、食材のショップやらがあるらしい。さすがロンドン、規模が違いますがなー。で、そこに着くと・・・“いらっしゃいませー!!”・・・スゴイテンションの店員。一瞬日本に戻ってきてもうたかと思った。久々のお客さまぁー!って響きは新鮮、というかマジでビビッた。ロンドンでこんなん見れるとは・・・。しかし、ショップは7時で閉まってしまうらしく、仕方なくチャイナタウンへ寄って家路を急ぐ。午前中はあんなに天気良かったのに、今日もまた雨が降り出した。
家に帰るとお腹ペコペコで、早速夕食の開始する。たねが餃子の具を、私がソバのつゆを作っていると、ダンナはキッチンのドアで“何か手伝う事ない?”と手伝いたそう。ハイハイ、皮に具を包む時にねとなだめて部屋に帰す。そして、“出番ですよー!!”フィレンツェのラーメン屋で食べてから、家で餃子をやってみたかったダンナ、覚えて帰る気満々。具はこれくらいの量で、周りに水をつけて、とやり方を教えると、さすが元コック、手際よく次々に餃子を作っていく。日本女児たるもの、これは負けられん!と私もガンガン作る。その間、たねは焼きに入る。マシンのように餃子100個完成!!・・・って誰が100個も食べんの?とフト我にかえり、今晩と明日で半分こする事にした。もう待ちきれず、買って冷やしておいたビールでかんぱーい!!ソバも具は卵だけなのに超ウマイ!そして餃子は・・・外はパリパリ・中はジューシー!最高でございます!!皆お酒に強くないので、ビールで十分気持ちよくなり、ウッシャッシャと笑いながら食べる3人はきっと端から見たら気持ち悪かったに違いない。そして、就寝。このベッドに3人!と今更ウシャウシャ笑う。・・・で、知らん間に爆睡してました。